教育データベース

2013.09.26

小学校

体育・保健

中越

平成25年度

技能の向上と競争の楽しさを味わえるハードル走学習

魚沼市立小出小学校 恩田 真太郎

 陸上運動の学習では、技能を向上させることに重点をおくので、児童が自分に合った課題を決めて主体的に取り組むことが少ない。また、運動能力の差を考慮せず競争する場合が多いため、友達と競い合うことの楽しさを味わいづらい。そこで、ハードル走において、一人一人にできた喜びや競争の楽しさなどの運動特性にふれる楽しさを実感させたいと考えた。そのために、スモールステップによる段階的な練習内容の選択と、記録の伸びの得点化により全員が平等な条件で競争できる場の設定を中心に学習を進めた。その概要は以下の通りである。
①スモールステップの学習過程
 ハードル走の練習内容をカードにして、スモールステップの練習に取り組ませた。カードでは、「インターバル」「踏切・振り上げ足」「抜き足」「着地」の4つの課題について、絵を使って段階的な練習方法を提示し、意識させたいポイントを言葉で示した。
②平等な条件で全員が競争できる場の設定
 全員が同じ条件で競争でき、競争の楽しさを味わうことができるように、40m走の記録と身長をもとに、ハードル4台あたりのロスタイムの縮まりを得点化した。
さらに、基準となる個々のインターバルの長さを身長から算出し、走力や跳躍力を考慮してインターバルの伸びを得点にプラスさせた。その結果、今までできなかった課題に挑戦することで、できた喜びを味わわせることにつながると考えた。加えて、グループの合計得点で競争することで、グループ内で仲間の得点を高めようと、スモールステップのポイントの活発な教え合いがなされるように働きかけた。
こうした学習過程と場の設定により、次の成果が確認できた。
①児童は技能・記録の向上によるできた喜びを味わうことができた。
②技能の低い児童でも競争の楽しさを味わうことができた。
 そしてこの結果から、児童はハードル走の特性にふれる楽しさを味わうことができたととらえた。