平成24年度実施の全国学力・学習状況調査の中学校「理科」の結果より、「活用」に課題があることが明らかになった。中学校理科3(3)の正答率は、全国では11.3%、本校は12.8%であった。本設問では、他者の考察を検討し、根拠を示して改善した考察を説明することが求められる。既習事項を理解した上で、他者の考察を検討し、自らの考えを改善していくことに課題がある。そこで、B区分「天気とその変化」において、既習事項を基に科学的根拠を明らかにしながら、天気の予報について考察を行う。自らの考えや、他者の考えについて、科学的な知識や概念と天気図の変化などの結果を根拠に、その妥当性などを検討する。この活動を通して、多面的、総合的に思考させ、自らの考えや他者の考えを改善する学習活動を導入し、科学的な思考力や表現力を育成する。
天気の学習は、実生活との結び付きが強い内容である。しかし、実際には、生徒は何気なく天気の予想を行っており、科学的に考えることには関心が低い。そこで、生徒にとって特に関心の高い行事について、天気の予想を行い、互いの考察を検討し合った。活動を通して、その原因について考えを深めるとともに、主体的に天気に対して備えるようにもなり、実生活に生かす姿が見られた。
【実践の実際】
○習得を図る手立て(1年次)
①気象観測の実施:1週間継続しての気象観測(天気・気温・湿度・気圧・雲量について観測)
②天気図の立体モデルの作成
③IT機器の活用
○活用を図る手立て(2年次)
・春:市内大会 梅雨:通信陸上大会 夏:体育祭 それぞれの天気について予報・考察
・天気・気温・風向それぞれについて、科学的根拠を基に互いの考察の検討