教育データベース

2013.01.13

音楽

中越

平成25年度

地域の伝統音楽を自己化し、音楽づくりの楽しさを広げていく子どもの育成  

田上町立田上小学校 志田 美代子

 伝統音楽のよさに浸り、そのよさがどこから生み出されているのかを探り、聴き取ったことと感じ取ったことを繋げて考え、思いをもって音楽づくりを楽しみ、その楽しさを生活の中に生かしていく子どもの育成をねらった。
 まず、田上に伝わるまりつきうた「うさぎのいいすけ」の教材性に着目した。このうたは、反復の仕組みを用いている。言葉の抑揚が自然な旋律となっている点、体の動きと音楽が一体となり、日本の伝統音楽に繋がる音感覚を育てることができる点が、1学年の音楽の教材として適している。
 次に、よさに気付かせ思いをもって音楽づくりを行うために、「出会う」「知的に浸る」「知的につくり上げる」の3つの段階からなる指導過程を組み立てた。「出会う」で生まれた意欲を「知的にひたる」過程に繋げ、「うさぎのいいすけ」のよさ(ひみつ)に気付かせ、音楽づくりへの思いを育む。さらに、「知的につくり上げる」過程で、ひみつを生かした自分のまりつきうたをつくって楽しむという一連の指導過程を工夫した。
 今回の実践で、音楽づくりにおける一つの流れを構築し、伝統音楽を授業にいかにして取り入れていくかを提案できた。今後は、第1学年で気付いた伝統音楽のよさや音楽づくりの楽しさを、他の学年の段階でどのように発展させていくのか検討していく。