学校現場は多忙であり、子どもと関わる時間を生み出す必要がある。一方で、教育の情報化が進展し、情報コミュニケーション技術を活用しやすい環境が整備されてきた。
そこで、校務支援システムの一部であるグループウェアを活用して校務情報と子どもに関わる情報を教職員間で共有する実証研究を行い、その効果を検証した。教員の多忙化を解消し教員が子どもと関わる時間を生み出す効果と、様々な教員がグループウェアを通して子どものよさを交流し合う効果、及び、グループウェア運用上の課題を、教員への質問紙調査とシステムの活用状況の分析を基に明らかにした。
その結果、校務情報の共有については、分掌によるグループウェアでの時間削減効果に違いがあることや、学級担任への効果があることが明らかとなった。また、子どもに関わる情報の共有については、専科教員から担任への情報提供が有効であることなどが明らかとなった。