“新学習指導要領では、社会的な見方・考え方を働かせて学習の問題を追求・解決することを通して、社会的事象の特色や相互の関連、意味を多角的に考える力を育成することが求められている。「日本の農業(稲作)」の学習で、私はこれまで身近な地域の農家を教材化して指導することが多かった。しかし、地域教材を具体的事例として追求することに終始し、他地域の農家と比較検討したり、消費者の立場から考えさせたりすることが不十分であった。
そこで本研究では、教科書にある農家の事例と、減農薬や有機栽培等で相違点をもつ身近な地域の農家の事例とを比較検討しながら学ぶ単元を組織した。二つの事例を比べながら学習していきたいという意欲付けをし、鴨の使用や販売価格の違いに着目させた。
その結果、子どもは、もう一方の事例ではどうか、消費者の立場からするとどうかと多角的に考え、地域や生産者の考えによって生産方法が違っても、農家はそれぞれの状況に応じて工夫や努力をしていることを捉えることができた。”,令和元年度”