新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を推進することが求められています。「主体的な学び」を目指して文学的文章を読む学習活動を考えた場合、「読み手が問題意識をもち主体的に文章を読むこと」が大切だと考えました。
平成28年度の中教審答申「国語ワーキンググループにおける審議のまとめ」の資料「国語科における学習過程のイメージ」に、「学習の目的の理解」と示されているように、単元を見通した学習計画を作成し、その中に単元(次)を貫く「学習課題(問い)」を設定することは、「主体的・対話的で深い学び」を意識した取組になると考えました。そこで、児童の初発の感想をもとに、解決したい課題を決定し、学習計画のゴールに位置付け、学習マップを作成し、学習の成果を書き加えながら単元の学習を進めていく授業実践を行いました。
本研究の具体的な手だては以下のとおりです。
①初発の感想を基に、児童の疑問を単元全体の課題として設定する。
②学習マップを作成し、学習のゴールに向けて課題を解決していく学習過程を組織する。
実践を通して、児童の初発の感想に書かれた疑問から解決したい課題を設定し、教師の働き掛けを加えることで、学習を進める上での課題が明確となり、主体的に読む姿につながることが分かりました。また、初読で疑問をもてない児童も、疑問を共有することで読むための課題をもって学習を進めることができるようになりました。
今後はさらに、問いの共有場面での有効な手立ての開発・検証や「対話的」な学習を成立させる上でどのような活動を組織し、手だてを講じていくと有効なのかを探っていきます。