教育データベース

2018.11.09

小学校

新潟

平成30年度

打つ技能を高めるティーボール指導の工夫

新潟市立五十嵐小学校 伊藤 秀樹

 ベースボール型ゲームは、児童の日常の遊びの質的な変化により、他よりも技能差の大きい運動である。特に打つ運動は、多くの児童にとって経験のない、もしくは少ないものであり、習得に時間がかかる技能である。ボールを遠くに飛ばすために必要なことは、スイングスピードを上げることと、ミート力を上げることである。しかし、二つの力の両立は難しく、特にゲームになるとその傾向は顕著となり、スイングスピードとミート力の両立が課題であった。これまでの私の実践でも、バットを速く振ることに力を入れるとミート力が落ち、ミート力を重視するとスイングが遅くなることが課題となっていた。
 そこで、スイングスピードを上げるために、打撃フォームを指導してスイングを一定にし、その中で体重移動を速くしていく指導を行った。また、ミート力の向上についても打撃フォームを一定にしていくことを重視して取り組んだ。
 本実践を進めるうえでの打撃理論については、プロ野球選手を中心に多くの支持を得ている手塚一志氏が提唱するダブルスピン打法にもとづいて打撃フォームの指導をした。
 研究の実際では、スイングスピードとミート力を向上させて、遠くに打てるようにするために次の手だてを講じた。

1 ダブルスピン打法にもとづいた技能ポイントの指導
 ・技能ポイントを獲得させるための指導
2 ミート力向上のために、ミニボールを使った飛距離の分かる場での打撃練習
 ・メインゲームと同じ場で、直径4.4cmのウレタンボールを使った打撃練習

 本取組の結果、児童の技能ポイント獲得数を、単元前と単元後で比較すると、すべての技能ポイントが高くなった。また、スイングスピードの平均も高くなり、ミニボール打ちやゲームの平均飛距離でも回を追うごとに向上が図られた。
 さらに児童が技能を高め、遠くにボールを打てるよう、今後も手だてを探っていきたい。

〈参考文献〉
「バッティングの正体」/手塚一志、ベースボール・マガジン社1999年