教育データベース

2018.11.09

小学校

体育・保健

新潟

平成30年度

自ら進んで踊る児童を育てる表現運動指導

新潟市立牡丹山小学校 長谷川 順哉

 これまで自分が行ってきた表現運動の授業では、技能の習得を優先した教師主導の授業であったため、児童は表現運動本来の楽しさを味わうことができず、できない児童は恥ずかしさから進んで踊ることができずにいた。
 そこで、本研究では、児童に表現運動の楽しさを感じさせ、自ら進んで踊ることのできる姿を目指した。そのための手だてとして「ジグソー学習」と「四つのくずし」を取り入れ、実践を行った。
1 「ジグソー学習」を取り入れた授業
 ジグソー学習は、主に知識や技能の習得を目的として用いられることが多い。児童たちが自ら進んで踊ることができるようになるには、技能の向上は不可欠であることから、本研究では技能の向上に有効であるとされるジグソー学習を用いることとした。
2 「四つのくずし」の設定
 表現運動の核となる動きとして「四つのくずし」の動きを以下のように設定した。
・空間のくずし:踊る方向や場を変化させ、同じ場所だけでなく、場を広く使って踊る。
・体のくずし:ねじったり、回ったり、跳んだりするなど、体の状態をはっきり変える。
・リズムのくずし:すばやく、ゆっくり、急に止めるなどの動きのリズムを変化させる。
・人間関係のくずし:離れたり、くっついたり、からんだりするなど、いろいろな友達と関わり合いながら踊る。
 それぞれの動きのポイントを示したカードを作成し、各グループに配布した。カードには、それぞれのくずしの動きと、動きからイメージできることを書けるようにし、グループの友達同士で自由に動いたり、動きからイメージできることを考えたりできるようにした。

 授業を実践した結果、ジグソー学習を取り入れたことで、児童同士の関わりが自然と生まれ、友達同士で教え合いながら技能を向上させていくことができた。また、技能が向上したことで、自ら進んで踊ろうとする児童が増えた。今後は、ジグソー学習がもたらす協調性、達成感、自尊心等の効果についても検証していき、ジグソー学習の有効性をより明確にしていくとともに、児童が進んで表現運動以外にも取り組むことのできるような授業づくりを目指していく。