教育データベース

2018.11.09

小学校

生涯学習

下越

平成30年度

地域に愛着と誇りをもち、主体的に課題解決に取り組む児童の育成

阿賀野市立分田小学校 川口 弘泰

 地域の連帯感や人間関係の希薄化が課題となっている中、社会全体で子どもを育てることの重要性や個性豊かな活力ある地域社会の育成が話題にあがって久しい。新学習指導要領において「子どもたちに求められる資質・能力とは何かを社会と共有し、連携する社会に開かれた教育課程の実現を目指すこと。」、「これからの予測困難な社会の変化に対応し、たくましく生き抜いていくためには、物事に対して主体的に関わり、自分の力でよりよい社会や人生を創り出そうとする思いと実行力が大切である。」と記されている。
 これらの背景を踏まえ、学校を核として地域と連携・協力し、魅力ある地域づくりを目指すことを題材とした総合学習を計画した。そこに、児童の主体性の向上に有効だと考えられる手だて3点を導入することにした。
①地域の課題を自分たちの課題として捉えさせる
②課題解決の意識を継続させる
③課題解決のきっかけとして、児童が自信をもてるような活動の足掛かり(甘酒づくり)を提示する
という3点である。
1 手だての有効性の検証
 手だて①の具体的方策として、「地域の良さを振り返る」「大人の考えに触れさせる」という二つの活動を行った。児童の振り返りには、自分と大人の考えとのギャップにショックを受け、「何とかしたい」という意思をもったと判断できる記述が多く見られた。
 手だて②に関わり、活動ごとに活動自体の振り返りと、目標に向けての到達度の確認を行ってきた。一つ一つの活動に価値付けをすることで、「地域活性のために大切な活動をしている」という自覚をもち、意識を継続させることができた。
 手だて③では、甘酒づくりという足掛かりを提示した。児童は様々なアイディアを出し、準備・活動する姿が見られた。自らの力で計画を立て、それらを全て実行することができた。
2 成果と課題
 本研究を通して、導入した手だて3点は、主体性の高まりに有効であった。今後は主体性の高まりを判断する段階や基準をより明確にし、主体性の度合いを数値化できるようにしていく。