教育データベース

2017.11.07

小学校

特別支援教育

新潟

平成29年度

協調性に課題のある児童の行動改善

新潟市立大野小学校 澤田 哲寛

 協調性が低く、他の児童と人間関係を築くことが難しい児童がいる。自己中心的な言動が多く、遊びを自分の思い通りにしようとし、命令をしたり、ルールを変えたり、相手から物を取り上げたりしようとする。また、自己顕示欲が強く、リーダーになりたがったり、自慢したり、相手を下に見るようなものの言い方をしたりする。相手を怒らせて喜ぶ癖があり、相手の反応が強くなるほど行動がエスカレートするなどが主な問題行動である。
 これらの問題行動を改善するために4つの取組を行い、その後に周囲の児童に対し、対象児童ともう一度遊んでもらえるよう促す授業を行った。
1 トークンエコノミー法を用いた。人に対してよい行動をしたときに、スマイルマークというカードを渡した。スマイルマークを貯めると、シールと交換できたり、学級で飼う新しい魚を選ぶことができたり、お楽しみ会をすることができたりする。
2 日常指導及びSST(ソーシャルスキルトレーニング)を行った。他の児童に不快な思いをさせる言動があったときに、活動の場から離して言動を振り返らせた。また、どうすればよかったかを考え、よいと思われる行動をロールプレイで実際にやってみる活動を行った。
3 活躍の場を提供した。教師のお手伝いや活動の準備などで仕事をお願いし、そのことについて帰りの会などでみんなに伝えながら褒めた。
4 学校であった良い行動を保護者に伝え、家庭でも褒めてもらえるよう促した。
 これらの取組の結果、児童は言葉を口に出す前に少し考える姿が見られるようになったり、話合いで人の意見にも耳を傾けるようになったり、人がやりたがったことを譲ってあげたりするようになった。
 このような行動の改善が見られたため、周囲の児童にもう一度対象児童と遊んでもらえるよう促す授業を行った。その結果、集団の中に入って、一緒に遊びを楽しめるようになった。