子どもたちは地域で多くの人と関わりながら、暮らし、成長していく。当校の子どもの多くは在学中から地域の医療や福祉等の支援サービスを利用している。地域の関係機関との早期からの情報共有やニーズの確認は、本人や家族の卒業後の生活を確実に支えることにもつながると考える。当校においても近年、福祉サービス等に関する保護者からの相談が増えている。放課後や長期休業中を地域で有意義に過ごしたいという本人や保護者の願いが高まり、実際に利用する動きが盛んになってきた。
そこで、以下のような取組を家庭、関係機関と連携・協働して取り組んだ。
1 「福祉サービス等の充実に向けたアンケート調査」の作成・実施
保護者の具体的なニーズを把握し、関係機関と情報共有していくことを目的としてアンケート調査を実施した。作成に当たり、保護者や福祉行政、福祉事業所、相談支援事業所、訪問看護ステーション等の関係機関と連携・協働で作成した。学校が中心となり、「保護者の思いや伝えたいこと」と「関係機関の見解や知りたい情報」を相互に確認、理解し合い、合意形成を図るプロセスを大切にし、学校と関係機関の双方にとって有意義なアンケート調査の実施を目指した。
2 「からだの不自由な子どもが在学中から利用できるサービガイド」の作成・配付
保護者への地域の福祉サービス等に関する情報提供を目的とした当校独自のサービスガイドを関係機関と連携・協働で作成した。実際にサービスを利用した生活をイメージできるように具体的で分かりやすい表現やサービス利用につながるような情報内容の精選に努めた。
アンケート調査結果は「調査報告書」としてまとめ、行政、福祉事業所、相談支援事業所等、地域の関係機関へ情報提供を行うことで情報の共有やニーズの確認につなげた。サービスガイドは保護者への福祉サービスに関する理解・啓発につながり、実際に地域の福関係機関や福祉サービスの利用につなげたケースもあった。
今後も一人一人の地域での充実した生活の実現に向けて家庭や関係機関と連携した研究を重ねていきたいと考えている。