航空産業の発展や通信技術の進歩に伴い、日本国内外を問わず、様々な国の人々と国際共通語である英語を媒体としてコミュニケーションをとる機会が増えてきた。英会話においてコミュニケーションが成立するためには、相手の話す内容が理解できること、自分の話す内容が相手に伝わることの条件が必要になる。そこで、重要な要素であると考えたのが発音・強勢・イントネーションである。相手がどんな語彙を使っているのかを具体的に聞き分ける力を身に付けるためには、自分自身がその語彙を正確に発音できなければならず、また相手の話す内容が意図することを理解するためには強勢・イントネーションの用法が正しく理解されていなければならないと考えている。
しかし、発音・強勢・イントネーションに関する具体的な指導法が確立されていないこと、従来の中学校の英語教育で音声面が軽視されてきたことを挙げている研究者がおり、日本の英語教育において音声に関する指導が適切に行われているとは言えない状況があると考える。私自身もこれまでの授業を振り返ったところ、リスニング指導や発音指導にあまり時間をかけていなかったように感じている。年間指導計画に沿って教科書の内容を淡々と進めることが多く、実践的なコミュニケーションの力を身に付けるために必要な要素を私自身も軽視していたことに気付いた。
この課題を解決すべく、限られた時間の中で行うことができ、より効果的な音声指導を目指したいと考えた。ただし、教師1人が数十人の生徒に対して個別に音声指導を行うには限界がある。そこで、生徒による学び合いの視点を取り入れ、複数人が同時に発音、強勢、イントネーションを学ぶことができる指導法を提案したい。