新学習指導要領の実施にあたり、「主体的・対話的で深い学び」の実現が求められている。本研究では、説明文指導における深い学びが実現している児童の姿を「初めの考えと比べ、言葉と言葉や言葉と物事を関係付けた新たな自分の考えを表現している姿」とした。この姿を実現するために、以下の手だてを講じた。
1 児童に判断を促す学習課題「筆者の考えに納得したか」
児童に判断を促す学習課題は、児童の考えにズレを生じさせる。児童の考えにズレが生まれることで、「友達の考えを聞いてみたい」という学習意欲が向上し、児童の主体的な読みを促すことができる。そのため、話合いに必然性が生まれる。特に、「筆者の考えに納得したか。」という問いは、児童が文章全体を理解した上で、自分の経験と比較しながら、意見を表現することができる。
2 個人→小集団、全体→個人の学習サイクルで授業を進める。
児童の考えにズレが生まれ、交流をすることで、根拠は同じでも意見が違うことが起こったり、友達の経験を聞いたりすることができる。そのため、交流活動の後に、個人の再検討活動の場を設定することで、自分の考えを言葉と言葉や言葉と物事をより関係づけた考えとして表現することができる。