人権感覚を高め、互いに認め合う態度と実践力を育てるために、児童の心に響く人権教育、同和教育の実践を推進し、教育活動全体を通して児童一人一人の人権感覚を磨き、自己有用感を高め、大切にされる学級、学校づくりに全職員で取り組んだ。
研究を進めるに当たり、人との出会いから学ぶ学習を中核とした人権学習の実践と、人権教育、同和教育の視点に立った教育活動と連携体制の二つを柱に据え、研究を進めた。
人権問題、同和問題に対する正しい理解を推進し、人との出会いから学ぶ学習での体験や日常生活と資料を結びつけて考えさせる指導過程を工夫した。児童の実践力を高めるために、自己を見つめる振り返りの場を設定した。また、年間を通して異学年交流での活動を充実させたり、問題行動の背景の把握や当該児童に向き合う指導や支援を全校体制で行ったりした。連携体制では、幼保小中学校10年間の「人権教育、同和教育学習」共通指導計画を作成し、中・長期的なスパンで人権意識を高める基盤をつくった。
人権学習の実践では、人との出会いから差別や偏見に対して思いを巡らせ、深く考えさせることにつながった。また、自己を見つめる中で、自分ができるようになったこと、まだ足りないこと、これからできるようになりたいことを振り返り、人権についての意識を高めていった。高学年では、被差別者だけでなく、差別者、傍観者の立場に立って考えを深め、「全ての人が笑顔でいることが人権を大切にすること」だと気付くことができた。異学年交流や全校体制での支援を行うことで、トラブルやよくない行動を起こすことがあると、自分事として捉え、「このままでは笑顔になれない」と具体的な解決策を考えて、実行するようになった。
今後は、これまでの取組を道徳教育に生かせるような学習過程の工夫等について実践していきたい。