教育データベース

2017.02.02

小学校

体育・保健

学級経営

新潟

平成28年度

体つくり運動において、技能と仲間同士の信頼関係を高めるための関わらせ方について

新潟市立上所小学校 室橋 辰宏

 学力や体力の向上を図るには、土台となる学級が、児童同士、担任と児童による信頼関係によって支え合う雰囲気で満たされていなければならない。信頼関係を築くには、温かい言語活動による交流が大切である。また、身体感覚を伴う経験を、学級全体または小グループ単位で味わわせることも大切である。体育科の授業は、協働する場面が多く、達成度の確認も児童にとって分かりやすい。
 そこで、体育科の授業を通して、技能の向上を図りながら学級力を高めていくために、グループによるスモールステップを設定したチャレンジ学習を取り入れる単元構成を試みた。
1 6学年における、ダブルダッチへのチャレンジ学習
 高学年であっても運動能力に差があるため、ダブルダッチを成功させることは難しい。そこで、さまざまな長縄の運動から、徐々にダブルダッチへとチャレンジしていく単元構成にする。ダブルダッチの学習場面では、教える部分(どの場所で踏み切るか・どちらの足で着地するか)と、児童に考えさせる部分(どの縄がどこを通過したときに入ればよいか)を分けて授業を構成した。
2 1学年における、スモールステップのペア・グループによるチャレンジ学習
 道具を操作する運動遊びで、主に長縄跳びの8の字跳びができるようになるために、タイミングを友達と合わせるスモールステップでの活動を通して、技能の向上を図ると共に、友達同士の信頼関係の向上も図る。友達のことを考えて自分のもっている道具を操作しないと成功しない。友達と一緒に掛け声を合わせて、動きをそろえないと成功しないような活動を、スモールステップで取り組む。また、どのような声掛けが必要か、声掛けのどのタイミングで動くとよいかなど考えさえ、成功体験を共有できる授業を構成した。
 どちらの活動においても、友達と力を合わせること、タイミングを合わせることの気持ちよさを味わうことができ、そのことが信頼関係の構築にもつながった。学級の雰囲気もよくなり、どの学習にも意欲的に取り組むことができる学級集団に成長することができた。
 今後も体育の学習を通して、児童同士、担任と児童の信頼関係を構築するために、「声や動きを合わせる」「友達のことを考えて動く」などの活動を取り入れた授業構成・単元構成や学習形態の在り方を追求していく。