教育データベース

2017.02.02

小学校

音楽

中越

平成28年度

音楽の要素と結び付けながら鑑賞に取り組む子どもの育成

見附市立見附小学校 酒井 規子

 本研究では、「体を動かしながら聴く」鑑賞活動を通して、児童の意欲を高め、曲の要素をより深く感じ取る姿を具現したいと考えた。2学年の「2びょうしと3びょうしのちがいをかんじとりながらきこう」の単元で、「拍」の違いを具体的に感じられるような活動を組んだ。
 本単元では、2拍子の教材として「トルコ行進曲」(ベートーベン作曲)を選んだ。➀手拍子をしながら ②全員で行進しながら ③指揮をしながら ④ステップを踏みながらの4つのやり方で聴かせた。「拍」の特徴を中心に、「強弱」「速度」「旋律の変化」など、音楽の要素をより深く体感させた。
 その後、3拍子の曲「メヌエット」(ペツォルト 作曲)を、➀~➃のやり方で聴かせたところ、児童の中から「できない」という声が次々に上がった。そこで、できない理由と、3拍子に合う動きを考えさせた。曲を聴き様々な動きを試行錯誤したり話し合ったりした結果、児童は次の2つのことに気付くことができた。
○手拍子やステップの数は「1、2」でなく「1、2、3」なので、1つずつ増やせばいい。
○行進では「1、2」の拍なら右足、左足と交互に出すとリズムが合うが、「1、2、3」の拍だと「右、左、右」になり、リズムがとりにくい。」この解決法として「右、左、止まる、左、右、止まるを繰り返す」動きを、自分たちで考えて歩くことができた。
 指揮は、2拍子の指揮でも、3回くり返すと6拍目に3拍子と合うことに気付いた児童がいた。「指揮が合わないので2拍子と3拍子は違う」ことを、感じ取らせることが難しくなったため、私から3拍子の指揮を教えた。指揮の際に描く曲線の形や数の違いから、児童は2拍子と3拍子の違いを確認することができた。
 以上の実践から、体を使って音楽の要素を味わいながら聴くことで、2拍子と3拍子の違いだけでなく、「3拍子は2拍子よりも1つ拍が多い」ということを、実感を伴って理解させることができた。今後は拍子や要素から、楽曲の曲想を感じ取らせ、感じたことをどう表出させるかが課題である。